古典のteacherのつぶやき

動詞、助動詞、助詞、敬語、和歌、、、。古典って本当に日本語??って思う人のために、古典の先生が基礎から解説をしていきます。

係り結びの法則について

 

こんにちは、ウノです。

 

今回は、係り結びについて解説して行こうと思います。

 

 

 

①係り結びの法則

 

 

系助詞「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」「こそ」があると、文末が終止形にならない

 

 

「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」 →   連体形で結ぶ。

 

 

「こそ」 →   已然形で結ぶ。

 

 

 

②意味

 

 

「ぞ」「なむ(なん)」「こそ」 →   強調、強意(訳には出さない)

 

【例】地獄にこそ行け。

〈訳〉◎地獄に行く。

   ×地獄に行け。 →  命令形ではない。

 

 

「や」「か」 →   疑問、反語(「か」という訳語が出る)

 

訳の設問になっている場合は、反語であることが多い。

【訳】どうしてだろうか、いや〜ない。

 

反語とは、疑問の形を使って文中に言うことなく、反対の意味を暗示すること。

 

したがって、反対の意味を補って訳すべきである。

 

 

 

③「もぞ」「もこそ」

 

 

「ぞ」「こそ」の上に「も」が付くと、

 

「・・・するといけない、・・・すると困る、・・・したら大変だ」

 

という言葉を加えて訳す。

 

 

《例》

 

雨もぞふる。 →  【訳】雨が降ると困る。雨が降ったら大変だ。

 

 

 

 

④「こそ・・・已然形」で文が終わらないで、「、」でさらに下に文が続くとき

 

逆接の意を加えて訳す。

  ↓

〜けれども・が、

 

 

 

 

◎係り結び 補充

 

 

⑴係り結びの《流れ》

文中に助動詞があって、その係助詞の結びとなるはずの語の下に、(主に)接続助詞がついてしまい、係り結びが行われないこと。「結びの《消滅》」「結びの《消去》」とも言う。

 

 

 

例えば、

 

梅の花なむ咲きける

 

の場合、「なむ」の結びは「ける」と連体形で結んでいるが、そこに接続助詞が付いて下に文が続いてしまうと、

 

梅の花なむ咲きけれど、君はいまだ来ず。

 

となって、「けれ」は下についた已然形接続の助詞「ど」のために已然形になってしまう。

 

これを「結びの《流れ》」と言う。

 

 

また、例えば

 

梅の花こそ咲きけれど、君はいまだ来ず。

 

の場合は、「こそ」の結びで「けれ」が已然形になっていると言えそうだが、それは違う。

この場合も、下についた「ど」が上の「けれ」を已然形にしているのであって、「結びの《流れ》」である。

 

 

 

⑵結びの《流れ》を起こすのは、ほとんど接続助詞

 

 

というのにも注意。

 

 

 

⑶係り結びの《省略》

係り結びの結びの語を含む部分が省略されてしまうこと。

 

 

 

例えば、

 

昔、男、女ありけり。男はこの女をこそと思ひけり。

 

の場合、「女をこそ」の下に、「得め」(「め」は意思の助動詞「む」の已然形)のような表現が本当はあるはずだが、省略されている。

 

これを「係り結びの《省略》」と言う。

 

 

《代表例》

 

〜こそ →   こそあれ

          ↓

    (省略されている語)

{〜や。 or   〜か。} →     {〜やあらむ。 or     〜かあらむ。}

 

 

 

 

 

⑷係助詞「や」と「か」の違い

 

 A「や」

 

① 活用語に付くときは、主に終止形に付く。連用形に付くこともある。

《例》

思ひき。(「き」は過去の助動詞の終止形)

思ふにあらむ。(「に」は断定の助動詞「なり」の連用形)

 

 

②他の疑問語とともに用いられることは少ない

《例》

山に登るべき

 

 

B「か」

 

①活用語に付くときは、主に連体形に付く。こちらも連用形に付くこともある。

《例》

思ひしか。(「し」は過去の助動詞「き」の連体形)

 

 

②他の疑問語とともに用いられることが多い。

《例》

いづれの山に登るべき

 

 

 

 

 

 

 

以上で、係り結びの法則についての解説を終わります。

お疲れ様でした。