古典の基本! 動詞の原則について
こんにちは、ウノです。
今回は、「動詞」についてお話ししていきたいと思います。
①基本用語
⑴活用・・・下に来る語によって、語尾が変化すること。
⑵語幹・・・活用の、変化しない部分。
⑶活用語尾・・・活用の、変化する部分。
古典の問題を解く上ではもはや常識ですね。
必ず頭に入れておくようにしましょう。
②活用形
活用形というのはいわば活用のパターンのようなもので、動詞を活用するときには次の六つに分類されます。
⑴未然形・・・打点「ず」などが下に来る
⑵連用系・・・「用言・たり・て」などが下に来る
※用言とは、動詞・形容詞・形容動詞のことです。
⑶終止形・・・「。」で終わる語
⑷連体形・・・下に体言が来る
※体言とは、名詞のことです。
⑸已然形・・・「ども」などが下に来る
⑹命令形・・・命令をするとき
③活用の種類の見分け方
⑴カ行変格活用(カ変)・・・「来〈ク〉」一語。
⑵サ行変格活用(サ変)・・・「す」一語。「おはす」もサ変。
※「(音読みの)漢字+す」→サ変の複合同士であることが多い
⑶ナ行変格活用(ナ変)・・・「死ぬ」「住ぬ・去ぬ〈読みはどちらもイヌ〉」二語
⑷ラ行変格活用(ラ変)・・・「あり」「居り〈オリ〉」「侍り」「いまそかり」四語
⑸上一段活用(上一)・・・「着る」「見る」「似る」「煮る」「射る(ヤ行)」
「鋳る(ヤ行)」「干る」
「居る(ゐる)」=ワ行上一。場所に存在する。座る。
「率る(ゐる)」=ワ行上一。連れて行く。持っていく。
⑹下一段活用(下一)・・・「蹴る」一語。
◎他には、下に「ず(ない)」をつけて、
「書く」→書かず(ア段)→四段活用(四段)
※「書けず」とは言わない。古文には可能動詞が存在しません。使役同士が少しあり
ます。
「起く」→起きず(イ段)→上二段活用(上二)
「受く」→受けず(エ段)→下二段活用(下二)
④活用
例として、「蹴る」を活用してみましょう。
になります。
活用の種類は「カ行下一」です。
「◯」は語幹と語尾の区別がないという意味です。
この時、「蹴る」の語幹は「け」にはなりません。
このようになってしまうと、未然形は「けけ」だけになってしまいます。
また、未然形から命令形まで、全ての活用にわたって現れるのは「け」の「カ行」ですから「カ行動詞」となります。
上一段 → I・I・IRU・IRU・IRE・IYO
四 段 → A・I・U・U・E・E
上二段 → I ・I・U・URU・URE・IYO
下二段 → E・E・U・URU・URE・EYO
↓
現代語と全く違う!
〈例〉
⑤注意すべき動詞
⑴ヤ行上二段・・・「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」三語
⑵ワ行下二段・・・「植う」「飢う」「据う〈スウ〉」三語
⑶1字の下二段・・・「得」「経」「寝」三語
※「寝」・・・「寝る時」は「ねる」ではなく「ぬる」と読まなければならない。
⑷ア行の動詞・・・「得」一語 他に複合動詞で「心得〈ココロウ〉」「所得〈トコロウ〉」がある。
⑸ザ行の動詞・・・「交(混)ず」(下二段)一語
⑹「飽く」・・・カ行四段。飽かず。他に、借らず・足らず(四段)
⑺「恨む」・・・マ行上二段。恨みず。他に、忍びず(上二段)、恥ぢず(上二段)
⑥活用の種類の見分け方
まず、「少ない六種類」に入っているかを見ます。
入っている場合は「上一段」「下一段」「カ変」「サ変」「ナ変」「ラ変」のどれかです。
入っていない場合は、語尾に「ず」をつけてみます。
a「ず」 になったら 四段
i 「ず」 になったら 上二段
e「ず」 になったら 下二段
になります。
下についている語などから何形で使われているのかを考えて、各種の活用の種類の活用表に当てはめて類推すると良いです。
以上で、動詞の解説を終わります。
お疲れ様でした。